この未来を壊して下さい。【完】
あぁ、そのせいで視界が真っ暗になったのか、と数秒たってようやく気がついた。
「なぁ、そろそろ本心を言えよ。」
私を抱きしめたまま言う龍河。
「だから、言ってるってば」
「そんなに俺らを信じられないか」
そう言った龍河がどんな表情をしているのかは、見えないからわからない。
「あんたらも一緒でしょ。信じなかったじゃん。私の事」
「...あぁ、弘輝の時か」
一瞬考えたものの、すぐに返事をしてくれる。
「葵が来た時だって、引きとめてくれなかった」
「あれは俺ら全員驚いてたから。追いかけた時はもう遅かった」
「でも...でも...」