この未来を壊して下さい。【完】
それは、本当に聞こえるか聞こえないかの境目くらい小さな声。
でも、龍河には聞こえていたらしい。
「やっと聞けた。
全力で、絶対守ってやる。」
そう言って笑った。
ふと何かがこみ上げて来る。
数秒、何が起きてるのかわからなかった。
頬を流れる冷たいそれ。
それが涙だと気がつくまでに数秒。
そして、これが泣くという行為なのか、と気がつくまでにも数秒。
初めて泣いた。
そして、積み上げてきたものが音を立てて壊れ始めた。