この未来を壊して下さい。【完】






それは、本当に聞こえるか聞こえないかの境目くらい小さな声。





でも、龍河には聞こえていたらしい。





「やっと聞けた。





全力で、絶対守ってやる。」





そう言って笑った。





ふと何かがこみ上げて来る。





数秒、何が起きてるのかわからなかった。





頬を流れる冷たいそれ。





それが涙だと気がつくまでに数秒。





そして、これが泣くという行為なのか、と気がつくまでにも数秒。





初めて泣いた。





そして、積み上げてきたものが音を立てて壊れ始めた。





< 362 / 393 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop