この未来を壊して下さい。【完】
今まで通っていた中学からかなり離れた高校へ進学した私。
中学ではかなり有名で、誰からも近寄られなかった。
でも高校は、私のことを知っている人なんて一人もいない。
だから、怖がられることもない。
“バレないように”と、もともと茶色がかった髪を黒いスプレーで隠し、三つ編みをして、青い目を隠すためにカラーコンタクトを入れた。
私の行動に間違いはなく、誰もあの西條姫羅だとは気づいてない。
気づいていたらいじめられはしないと思う。
別にいじめられるのは気にならない。
だから、せめてあと半年は私があの西條姫羅だということに気がつかないでほしい。
だって、こんなふうに近寄ってくることもなくなるでしょう?
「西條さん、今日はみつ編みしてないんだ~」
そう言って近寄ってきたのは主犯のかたがた。
「えぇ、誰かさんが昭和女みたいと言っていたので。」