この未来を壊して下さい。【完】
「笑みを張り付けているお前と、さっき感情的になったお前、どっちがお前の本心だ。」
その二択は、ほぼ100%後者を言えと言っているようなものではないか。
でも、私はそこまで優しくない。
「どっちがって、どちらも私でしょう?」
彼の言う“嘘の笑みを張り付けて”答える。
「そういうことか」
動揺も見せず、私を見つめたまま答える彼。
じっと探るような目。
「まぁ、いいじゃん」
そう言ってこの空気を変えてくれたのは皐月。
「本当の目的はそれじゃないでしょ。」