この未来を壊して下さい。【完】






「あぁ、そうだった」





どうやら、自己紹介だけでは終わらせてくれないらしい。





面倒だ、と思って窓を眺める。





まだ6時にもなっていないというのに空には月がくっきりと浮かんでいる。





早く家に帰りたい。





「お前、聞いてんのか」





いきなり話し出した睦月。





完全に、聞いてなかった。





「お前、今日からここの姫な。」





まるで決定事項のように言う彼。





姫って何?と言うほどこの世界を知らないワケではない。





むしろ、かなり知ってるほうだと思う。





でも、だからこそ、姫にはなれない。





だから、




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