この未来を壊して下さい。【完】
「無理。」
たとえ決定事項でもこれは譲れない。
「なぜだ」
急に不機嫌になった彼。
理由なんて答えられるわけがない。
「理由は聞かないで」
そう答えるものの、彼の眉間のしわは深まるばかり。
「姫羅ちゃんどうしてもだめなの?」
三波が泣きそうになりながら聞いてくる。
さすがに泣きそうな顔を見ると罪悪感が生まれてはくるけれど、これだけは譲れない。
「本当に無理。」
「どうしても無理なの?」
あ~あ、とうとう三波が泣きだしてしまった。
高校生の男子が泣くところなんて、なかなか見ないけど、私の目の前で泣いている。