この未来を壊して下さい。【完】
「だって、メガネにみつ編みって、いかにも昭和女ですって言ってるようなもんでしょう?」
そう言って周りに同意を求める主犯のリーダーは佐野瑞季。
両親はあの大手、佐野グループの会長らしい。
「そういえば、もうすぐ1時間目が始まるから、用意をしたほうがいいんじゃない?」
クスクスと笑う彼女はとても楽しそうで、何がそんなに楽しいのかと考えてようやく思い出した。
教科書隠されたんだった。
「私の教科書知らない?」
わざわざ空気を読んで聞いた私。
「あぁ、さっきゴミ箱の中で見たよ。」
どうも教えてくれてありがとう。
と言おうと思って彼女たちを見ると、完全に笑ってる。
「西條さん、早く取りに行かないと燃えちゃうよ。」
どうやら、ゴミ箱の中はさっき捨てに行ったらしい。