この未来を壊して下さい。【完】
「あぁ~普通は、“俺らが守るべき存在”とか言うべきなんだろうけど、はっきり言って翼龍では、“姫を必ず守らないといけない”なんていう決まりはないんだよね」
平然と答えた祐斗にイラッときたのは秘密にしておくとして、
「じゃあ、学校にいる翼龍のメンバーが必死に私を佐野から遠ざけようとしているのはなんで?」
「あぁ、それは、必ず守らないといけないっていう決まりはないけど、みんな総長を尊敬しているから、自然に“守ろう”的な空気が流れてるみたい。
わかった?」
「えぇ、わかったけど、一度文句を言いにいってもいいかしら?」
今、顔が引きっつっているのが自分でもわかる。
「言うと思った。
言いに行ってもいいけど、たぶん姫を降りることはできないと思うよ」
龍河のお気に入りだし。と普通に答える祐斗。
そもそも、お気に入りになるようなことしてないんだけど。