好きになった人、愛した人。
あたしには言わないけれど、それが一人息子の沼本太一(ヌマモト タイチ)が生まれた時、叔父さんが叔母さんにプレゼントしたものだと、知っていた。


当然、太一とあたしはいとこ同士であり、この家に一緒に暮らしている。


「結衣叔母さん、できたよ」


「ありがとう。哲司さん、呼んできてくれる?」


あたしは1つうなづき、キッチンを出た。


キッチンの間の前にある扉を2度ノックして


「哲司叔父さん、夕飯できたよ。オムライスだよ」

と、声をかける。


叔父さんの仕事は発明家。
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