好きになった人、愛した人。
☆☆☆

その日、部屋へ戻ったあたしはなかなか眠りにつくことができなかった。


ベッドの中で目を閉じると、ここへ来た頃の事が蘇ってくる。


小学6年生の太一。


一人っ子で育ってきた割にはヤンチャで、よく外で友達と喧嘩をし、怪我をして泣きながら帰ってきたことがある。


あたしは、そんな太一を見て最初は自分とは全然タイプの違う子だと感じていた。


でも、日が経つにつれ太一は物語も好きなのだと知った。


よく叔母さんと2人でビデオを見たり。


休日には4人そろって映画館にもいった。
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