好きになった人、愛した人。
☆☆☆

ベッドの中寝返りを打って、昔の記憶をかき消そうとする。


あたしのわき腹にあった傷。


あれも、数年前太一につけられたものだった。


太一の暴力が始まってから5年は経っているが、叔父さん叔母さんに現場を見られたのは今日が初めてだった。


最初の頃は顔を殴ってきていた太一だが青あざが残るため、徐々に体を殴るようになってきていた。


それでも、顔を合わせることが少ないため暴力を振るわれるのはごくまれな事だった。

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