好きになった人、愛した人。
だから、あたしはこの事を叔父さんと叔母さんには話さず、親友のヒナタにだけこっそりと打ち明けていた。


それなのに……。


今日の出来事のせいで、表面上だけの家族に更に亀裂が入るかもしれない。


叔父さん叔母さんが少しでも太一の肩を持ってあげれば、太一の気はすむかもしれない。


突然来た従妹に両親の期待を全部奪われた。


太一がもしそう思っているのなら、あたしはどうすればいいだろう?


一刻も早く、その家を出るべきだろうか。


お金があれば、それも可能だけど……。
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