好きになった人、愛した人。
「年下のくせに、生意気」


《なんだよ、ソレ》


「嘘。ありがと、奈生」


《あぁ。これくらいしか、俺できねぇし》


「ううん。ありがとう。なんか、眠れそう」


《そっか。じゃぁ、なんかあったらすぐ電話してこいよ?》


「あはは。あたし、年下に守られてるね」


《なんだよ、わりぃかよ?》


「悪くない。嬉しい」


《やけに素直じゃん》


「うん……奈生、好きだよ」


そう言ったかどうか、はっきりしないうちに、あたしは眠りについてしまったのだった。
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