好きになった人、愛した人。
奈生の言葉を遮って、矢原がベッドの下から1枚の画用紙を取り出した。


「それはっ……」


奈生の表情がこわばる。


え?


なに?


ここからじゃ紙になにが書かれているのか見えない。


移動してそれを確認しようとしたとき、矢原が奈生の足の上にその紙をヒラリと置いた。


あ――。
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