好きになった人、愛した人。
今までここでしてきたこと、全部話したって矢原は許してくれないだろう。


「お前はクビだ」


何も言えずにうつむいていると、矢原がそう言ってきた。


当然の結果だった。


ろくに勉強も教えず、こんなことをしてたんだから……。


あたしは無言のままカバンを持ち、ドアへと向かった。


「チハヤ!!」


ベッドの中から、奈生が呼ぶ。
< 192 / 395 >

この作品をシェア

pagetop