好きになった人、愛した人。
耳元で鳴っていたコール音が途切れ

「お待たせいたしました。ファミリーレストランフロンティア、○×店でございます」

と、ファミレスにしては丁寧な電話対応。


「すみません、求人広告を見て電話を掛けさせていただきました」


あたしがそう言うと相手はすぐに

「あぁ~……」


と、歯切れ悪く呟き、保留にすることもなく何かボソボソと話し声が聞こえてきた。


嫌な予感が胸をかすめる。


「申し訳ございません。こちらの求人はすでに締め切らせていただいております」


やっぱり。


この求人広告は一週間ほど前に出たものだった。


すでに新しいバイトが決まっている可能性は十分にあったし、さっきの店員の『あぁ~……』という言葉でわかってしまった。
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