好きになった人、愛した人。
太一はあたしと比較され、劣っていると決め付けられるのが嫌なんだ。


不安な気持ちを抱えながら太一の反応を待っていると、太一は何も言わずにソファから立ち上
がった。


「太一!」


自室へ戻ろうとする太一を、思わず呼び止めた。


これじゃ、変わらない。


せっかくみんなで話す機会ができたのに、このままじゃ終われない。


「ちゃんと、話そう? あたし、結衣叔母さんと哲司叔母さんに全部話すよ?」
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