好きになった人、愛した人。
ご飯の途中で叔母さんに言われて、あたしはハシをとめた。


「え? もう、なにもないよ?」


キョトンとして聞き返すと、「本当に?」と、疑ってくる叔母さん。


そのせいで、叔父さんと太一までこちらに注目してくる。


「なにもないってば」


「でも、最近ちょっと楽しそうだけど?」


クスッと小さく笑う叔母さんに、あたしは一瞬にして奈生のことを思い出していた。
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