好きになった人、愛した人。
太一のように、あたしも自分の気持ちを諦めるつもりはなかったから。


これから、どうすればいいだろう?


どうすれば、矢原はあたしを認めてくれるのだろう。


そう思ってメモを見つめていると、いつかと同じように足元の視界に見慣れた運動靴が見えた。ゆっくりと、顔を上げる。


「矢原……」


「よく、ここで合うな」
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