好きになった人、愛した人。
「あ、ごめっ……」


「……まだ、諦める気がないのか?」


「……ごめん」


「俺じゃなくて奈生なんだな?」


「……うん」


冷たい風が、2人の間を通り抜けていった。


「まぁ、仕方ないか。奈生は、一番手に入れたいものは、いつも手に入らなかったから」
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