好きになった人、愛した人。
諦めたように手を引っ込める矢原。


「どういう、意味?」


奈生は矢原の玩具を、大切なものをいつでも奪っていたと、聞いていたのに。


「少し、話そうか」


矢原が、あたしの前を歩いていく。


あたしはその後をゆっくりとついていった……。

< 221 / 395 >

この作品をシェア

pagetop