好きになった人、愛した人。
☆☆☆

試合開始から1時間50分がすぎていた。


いまだに両者とも得点は0。


さすがに、今日のこの日に簡単に点を入れさせることはなかった。


ボールを蹴って走りながら、矢原は仲間と軽く視線を合わせた。


仕方がない。


少し卑怯だけど、あれをやるか。


流れる汗をぬぐう暇もなく、俺は一旦立ち止まった。
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