好きになった人、愛した人。
けれど、それをもう一度味わって平気でいられるかと聞かれれば、とうてい無理な話だと思った。


叔父さん叔母さんによくしてもらっているのに関わらず、心が完全に満たされることはなかった日々。


きっと、それ以上の苦痛が訪れるだろう。


「正直、覚悟はできてない。でも、今の自分の気持ちを大切にするなら……行かなきゃ」


偽善だとか、同情だとか、一時の気の迷いだとか。


言葉にすれば次々と出てくるような感情かもしれない。
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