好きになった人、愛した人。
「こんな場所でごめんな?」


「別に、16歳のガキにオシャレなホテルなんて望んでないわよ」


「ガキで悪かったな」


言いながら、奈生の手があたしの胸に触れる。


初めての感覚に戸惑いながらも、夢中になる奈生を見ていると愛おしさが込み上げてくる。


心臓が悪くても性交渉に支障はない場合が多いと、なにかのテレビで見たことがある。


奈生自身も何も言わないから、きっと大丈夫だ。


それはすごくわがままでぎこちなくて、互いの事なんて考える余裕もない行為だった。


あたしの体を慣らす事さえ煩わしいのか、奈生は強引に割って入ろうとする。
< 258 / 395 >

この作品をシェア

pagetop