好きになった人、愛した人。
きっと、ヒナタになら話せる。


いつも太一の話を聞いてもらっていたから、信用できる存在だった。


「重い心臓病なの。こんど、また手術を受けるって……」


あたしの言葉に、ヒナタは一瞬息を飲んでそれから悲しそうにうつむいた。


「そうなんだ……」


「でも、好きなの」


この気持ちはどうしようもない事実だった。


傷つく結果になるかもしれないとわかっているのに、止まらない。


真っ直ぐに、奈生へ向けて進んでいる気持ち。
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