好きになった人、愛した人。
窓の外を見ると、満天の星が輝いていた。


冬の空は高く、どこまでも続いていきそうな感じがした。


《また、なにかったか?》


「ううん。悪いことはなにもないよ。ただ……コンテストに出場することになった」


《コンテスト?》


「そう。パティシエになるために大切なコンテスト」


《へぇ。よかったじゃん》


奈生の声が、少し高くなった。


本当に喜んでくれているみたいだ。
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