好きになった人、愛した人。
でも、未来を見て、そして約束したんだ。


《全部が終わってから、また会おう》


「……うん」


《きっと、うまくいく。俺を信じて、チハヤ》



なんの根拠もない言葉が、あたしの胸を満たし、安心させていく。


きっと奈生なら乗り越えられる。


そんな気になってくる。


「信じてる。絶対に、また会えるって」


《あぁ。だから、お前も今は自分のことに集中しろ》


「……うん。わかった」


ここから、奈生にあえないあたしの日々の始まりだった。
< 290 / 395 >

この作品をシェア

pagetop