好きになった人、愛した人。
その表情は穏やかで、ホッとする。


まだあたしを怒っているのかと思っていた。


「矢原は今帰り?」


「あぁ。外回りが終わってそのまま直帰」


「そっか」


「コンテスト、出るんだって?」


なんとなく並んで歩きながら矢原が聞いてきた。


「うん。奈生に聞いたの?」
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