好きになった人、愛した人。
「あぁ。それで遅くまで頑張ってんだな」


「まぁね」


奈生の調子はどう?


そう聞きたい気持ちをグッと我慢する。


聞いてしまえば、会いたい気持ちがあふれ出す。


一度あふれた気持ちは、きっと止められないだろうから。


「実は俺さ、彼女ができた」


「え、うそ!?」


予想していなかった言葉に、あたしは思わず声をあげた。
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