好きになった人、愛した人。
数日聞いていないだけなのに、こんなに恋しいと感じるなんて。


その感情を悟られないように、また歩き始める。


「珍しいわね、電話なんて」


《あぁ。明日、コンテストだろ?》


「うん。そうよ」


《ちょっと、顔が見たくて》


「え?」


その言葉にあたしはすぐに立ち止まってしまった。


今から来いとか、言われるんだろうか。

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