好きになった人、愛した人。
奈生の暖かな体温を感じたとき、あたしはホッとしていた。


この病室のドアを開けたときに感じた、奈生の人形のような冷たさが一瞬にして和らいだから。


「辞めちまえよ、俺のカテキョなんて」


消え入りそうな声で、奈生は呟いた……。
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