好きになった人、愛した人。
テーブルの上にはラップがかかっているハンバーグが2つ。


きっと、叔父さんもまだ食べてないんだ。


「あら、おかえり」


声が聞こえたのか、叔母さんがリビングから顔をのぞかせた。


「ただいま」


「バイト、どうだった?」


聞かれて、あたしは一瞬胸が締め付けられる。


冷たい少年。


人を拒絶し、人から嫌われようとしているのがわかった。

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