好きになった人、愛した人。
☆☆☆

落ち込んで家に帰ると、叔父さん叔母さん太一の3人が起きて待っていてくれた。


リビングには大きなケーキ。


「ご飯は食べてきたんでしょ? だったらケーキくらいは用意しとかなきゃと思って、テレビ放送が終わると同時に買ってきたのよ」


と、叔母さんはすごく嬉しそうにほほ笑んだ。


太一が夢を掴んだあの日となんら変わらない状況がそこにあって、あたしは思わず泣きそうになった。


自分1人血が繋がっていなくて、時折感じていた疎外感。


それらが、ただの思い込みだとわかったから。
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