好きになった人、愛した人。
嬉しさに頬を緩ませながら叔母さんの買ってくれたケーキをほおばると、溶けてしまいそうなほどにおいしかった。


なにより、リビングにみんなが揃った状態であたしを祝ってくれているという、この状況が幸せだった。


ケーキを食べ終えるころ、叔母さんが真剣な表情で口を開いた。


「海外留学するんでしょう?」


「……うん」


あたしは軽く頷いた。


「半年間?」


「……うん」

< 341 / 395 >

この作品をシェア

pagetop