好きになった人、愛した人。
「急なのね……」


叔母さんは視線をテーブルへ伏せて小さく言った。


伯父さんは、その隣で難しそうな顔をして腕をくんでいる。


重たい沈黙がリビングに流れて、あたしは黙り込んだ。


反対されるだろうか?


そんな不安が胸をよぎる。


しかし……。


「行って来いよ」


太一が、そう言って沈黙を破ってくれたんだ。
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