好きになった人、愛した人。
「本当だよ、バカ奈生」


「ごめん」


頬に触れたまま、奈生はあたしにキスをした。


久しぶりの感覚。


暖かくて、胸が締め付けられる。


唇は少し触れるだけですぐに離されて、なんとなく物足りない。


「なに、物足りなそうな顔してんの?」


「し、してないし!」


あわてて首をふり、奈生から離れる。


半年ぶりに好きな人と逢えたから、理性が止められなくなってしまいそうだ。
< 358 / 395 >

この作品をシェア

pagetop