好きになった人、愛した人。
奇跡の再会という感じなのかと、一瞬期待してしまった。


「今日、時間あるんだろ?」


「……うん」


本当は、空港から直接大学へ顔を出そうと思っていたけれど、奈生がいるなら話は別だ。


それに、なにか言いたそうな表情をしているし。


「じゃぁさ、俺の家、来ない?」


「奈生の家?」


聞き返しながら、あたしは何度かお邪魔したことのある家を思い出す。


空港からタクシーを使えばそんなに時間はかからないはずだ。
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