好きになった人、愛した人。
少しずつだけど、その夢にむかって歩んでいるのだということが、わかった。


「ほらこれ、懐かしいだろ」


そう言って小屋の奥から一枚の画用紙を取り出す奈生。


そこには裸でベッド脇に座っているあたしがいて、「やだっ!」と、悲鳴をあげて顔が熱くなる。


「なんで、綺麗じゃん」


わざと、あたしの手が届かないような高い場所にその絵を貼り付けて、奈生はニヤニヤする。


「やめてよ、変態!」


なんとか手を伸ばして画用紙を取ろうとする。


その瞬間、無理な体勢をとっていたためバランスを崩し、足首に痛みを感じた。
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