好きになった人、愛した人。
あたしは叔父さんと叔母さんの話を聞きながらハンバーグを食べ終え、台所に立った。


叔父さんの発明品は、たいてい主婦向けの道具だった。


いつも家事をしてくれている叔母さんを見ていると、パッとひらめくのだそう。


「あ、チハヤちゃん、いつもごめんね」


あたしがおにぎりを4つ作り始めると、叔母さんがそれに気づいて声をかけてきた。


「このくらい、大したことないよ」


正直、お腹はいっぱいだし疲れているし、すぐにでもお風呂に入って眠りたかった。


だけど、これはあたしの日課。


朝と昼は叔母さんがやってくれているから、晩くらいはあたしがやらなきゃ申し訳ない気がする。
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