好きになった人、愛した人。
そして、何かに誘われるように両開きの扉を開けたその瞬間……。


強いスポットライトがあたり、あたしは目を細めた。


開けた瞬間に聞こえてきた歓声。


ようやく眩しさに目が慣れてきたとき、あたしは唖然として教会の中を見回した。


あたしたちの立っている中央の通路の両端に並ぶ長椅子。


そこには、見慣れた顔ぶれがズラリと並んで座っていたのだ。


それは奈生のほうも同じで、矢原や病院で数回顔合わせた看護師さんまでいる。


「どういうこと……?」


「俺が聞きたい……」
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