好きになった人、愛した人。
「絵?」


「あぁ」


そう言って、奈生は壁に掛かっているアサガオの絵を指差した。


「あれ、夏にこの病院の中庭で咲いてたアサガオなんだ」


その絵は画面の右いっぱいに1つのアサガオが描かれていて、左半分には小さなアサガオと
その葉が描かれていた。


「これ、奈生が描いたの?」


「あぁ」


近づいて見てみると、作品の左下に《nao》と小文字のサインが入っている。

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