好きになった人、愛した人。
☆☆☆

あたしはパティシエを目指しこの大学に入学した。


専門学校に行ってすぐどこかのレストランに就職しようかとも考えたのだけれど、叔母さんや叔父さんと後押しがあり、大学進学が実現していた。


午後からの講義は実習だった。


今日は講師に教えてもらうのではなく、それぞれのインスピレーションでオリジナルのお菓子を完成させるものだった。


大切な授業なのだが、気持ちはどうも上の空。


太一のことも、奈生のことも気になってなかなか発想が浮かばない。
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