好きになった人、愛した人。
「チェッ」


舌打ちをしてから、奈生は問題集を指差した。


「わからないの? どこ?」


「ここ」


「どれよ?」


グッと顔を近づけて確認しようとすると、あたしの頬に暖かな感触が降り注ぎチュッと音を立てた。


「俺、チハヤ先生の可愛いとこ見たいけど」


「見せないってば」


問題がわかるなら、呼ばないでよ。
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