好きになった人、愛した人。
兄として
矢原に連れられて、あたしたちは近くのファミレスに来ていた。


窓際の2人がけのテーブルに座り、やる気のない定員にコーヒーを2つ注文する。


「弟がいるなんて知らなかった」


あたしは矢原を睨みながら、そう言った。


「あぁ。隠してたから」


「なんで?」


「なんでだろうな」


首をかしげて、矢原はため息を吐き出した。
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