好きになった人、愛した人。
「矢原の気持ちを考えてなかったのは、あたしか……」


家までの道を歩きながら、あたしは呟いた。


バカじゃん。


今まで矢原の何を見てたのよ。


ずっと思ってたとか、思ってるだけじゃ伝わらないのに。


気がつけば涙が頬をつたって落ちた。


今からでも遅くない?


ううん、もう無理だ。


本当にまだ矢原のことが好きなら、ファミレスですぐに引き止めていたはずだ。
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