好きになった人、愛した人。
2人して昼食でも食べに出かけてしまったのだろう。


だから、太一本人が仕方なく宅配の荷物を受け取りに出てきたんだ。


あたしたち宛ての荷物なら無視していただろうが、通販で買い物をするのは太一だけだから。


「お昼でも食べに出かけたのかな。あたしも何か食べよーっと」


バッグを握る手に汗がにじむ。


どうか、このまま引き止めないで。


自然とリビングを出てキッチンへ向かえばいい。
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