好きになった人、愛した人。
ただただ、こんなにも変わってしまっていた太一がショックで、心の中がカラッポになってしまったようだった。


あたしがここへ来た頃に笑っていた太一は?


一緒にテレゲームをして遊んだ太一は?


同い年だけど、生まれ月が早いから俺が兄貴だって、自慢げに笑っていた太一は?


あれは全部、幻なんだろうか――。
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