好きになった人、愛した人。
あたしは、諦めてようやくベッドから体を起こした。


携帯で時間を確認すると、11時過ぎ。


1階からはテレビの音が聞こえてくるから、今日は出かけていないらしい。


それがわかると、ホッと胸をなでおろす。


ワンピースに着替えて下へ降りると、「あら、おはよう」と、叔母さんが笑いかけてきた。


「えへ。寝坊しちゃった」


本当はほとんど眠れなかったけれど、そう言って舌を出した。
< 91 / 395 >

この作品をシェア

pagetop