俺の女
―――その頃、恋嘩の傍で美蘭が、外から聞こえる喧嘩の声に眉をひそめる。
美蘭 「始まった…」
恋嘩 「…美蘭…」
心配そうな恋嘩の声が聞こえ、美蘭が恋嘩に目を移す。
美蘭 「あら…起きてたの?」
恋嘩 「また…喧嘩?」
美蘭 「うん。まぁ…仕方ないよ。そぅゆぅ一味だもん。」
恋嘩 「うん…」
目を伏せて横を向く恋嘩。
美蘭は少し困った顔をして、恋嘩に問いかけてみる。
美蘭 「こんなの…嫌?」
美蘭の言葉を聞いて、ハッとしたように美蘭を見る恋嘩。
恋嘩 「えっ…ううん。愁洩のこと好きだもん。愁洩の仕事ってか…やりたいことはさせてあげたいもん…でも…」
美蘭 「でも?」
恋嘩 「喧嘩で…皆が傷つくのは嫌だなぁ…悲しいから。」
布団を口元まで被って、寂しそうな目をする恋嘩。
…そー言うと思った。恋嘩は優しい子だもんね。
美蘭 「…そーだね。」
恋嘩 「あたしらが今、皆と暮らしてるこの世界は…いつ死んじゃうかもわかんない…危険な世界じゃん?」
美蘭 「………」
―――改めて思うと…そーだよね。
いつも危険と隣り合わせな…危ない世界だよね。
恋嘩 「あたしらのことは…皆が守ってくれるけど…自分の身は自分で守る努力もしなきゃいけないなって…。これからもずっと…この世界で生きていくならねw」
恋嘩の言葉を聞いて、頬を緩める美蘭。
美蘭 「…そっか。そーだよねw」
…そーじゃん。
あたしが弱気になってどーすんの。
この世界で生きてくって決めたんだから…。
恋嘩と…諒弥と…あいつらと。
恋嘩 「だからッ…コホッ!コホッ!」
急にひどい咳をする恋嘩。
美蘭 「恋嘩!!!」
恋嘩 「ん゛…大丈夫っ…」
美蘭 「熱は?!」
美蘭が恋嘩のおでこに手を当てる。