俺の女
『離してよ!!!ばか!!』
「「はよ来いや!!!」」
「…なぁ。なにやってんの?」
「「!??」」
声がした方に、ゆっくり振り向くカズ。
そこには、カズより少し背の高い愁洩がカズを睨みつけていた。
「お前さー…俺の女になにしてんのー?」
「「あ?…誰やねん、お前」」
『愁洩!!!』
カズも負けじと愁洩を睨みかえす。
「離せや」
『諒弥ッ…』
諒弥もヒロを睨みつけた。
そして、大体理解したヒロが口元に不適な笑みを浮かべて言った。
「「へぇー…これが例の彼氏?」」
「「なんかすげー奴らやなぁ(笑)」」
恋嘩たちの腕を掴んだまま、愁洩たちを見回すヒロとカズ。
「てめーら…離せっつってんのが聞こえんかったか?」
「「えー?聞こえないねー(笑)」」
「…んだとてめぇ…」
「大毀」
殴りかかろうとした大毀を止める愁洩。
大毀は拳を握り締めて、しぶしぶ後ろに下がった。
「「んで…その後ろの団体は何?(笑)」」
小馬鹿にしたように、仲間達を見回すヒロという男。
「…俺らの仲間やけど?」
「「仲間?…てめーら何者?」」
「…お前らさぁ…劉毅賊って知ってっかぁー?」
愁洩が、2人に向かって問い掛けた。